[ビットコイン] マイニングとコンセンサスによるブロックチェーンの安全性と信頼性(第4回)

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  1. 概要
  2. マイニングとは?
      1. マイニング
      2. ブロック生成の基本
      3. マイニングの詳細
        1. マイニング報酬とトランザクション手数料
        2. ディフィカルティターゲット(難易度調整)の仕組み
        3. マイニングハードウェアの進化とハッシュレートの増加
    1. プルーフ・オブ・ワーク(PoW)について
      1. プルーフ・オブ・ワークの仕組み
      2. プルーフ・オブ・ワークの意義
  3. コンセンサスとは?
      1. 分散化コンセンサスについて
      2. 分散化コンセンサスの基本原理
    1. コンセンサスアルゴリズム
      1. プルーフ・オブ・ワーク (PoW)
      2. プルーフ・オブ・ステーク(PoS)
      3. デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク (DPoS)
    2. コンセンサスのプロセス
    3. 分散化コンセンサスの利点
    4. 課題と将来の展望
      1. スケーラビリティ
      2. エネルギー消費
  4. マイニングとコンセンサス
    1. Coinbaseトランザクションとは?
      1. 特徴
        1. 新しいコインの生成
        2. トランザクションの形式
        3. 報酬の構成
      2. Coinbaseトランザクションの流れ
      3. Coinbaseトランザクションの構造
        1. 特徴
      4. Coinbaseトランザクションの構成要素
        1. 入力部分
        2. 出力部分
      5. ブロックヘッダの構築手順
        1. 具体例
    2. 難易度ターゲットの更新プロセスの要点
        1. 計算例
    3. マイニングとハッシュ化競争について
      1. ハッシュ化競争
        1. ハードウェアの進化
        2. ASICとは?
        3. ハッシュレート
        4. マイニングプール
      2. Pythonでのマイニングプログラム例
      3. ナンス値について
        1. ナンス値の役割
        2. ナンス値の制限とエキストラナンス
        3. タイムスタンプ
    4. マイニングに成功した場合に行われること
      1. 報酬の分配
        1. マイニングプール
    5. マイニングに関する利害関係
      1. コンセンサス攻撃とは?
        1. 攻撃の可能性と影響
      2. コンセンサス攻撃の防ぎ方
  5. まとめ

概要

今回はマイニングとコンセンサスのことについて学んでいきます。今回の学びによって実はブロックチェーンの安全性と信頼性はマイニングとコンセンサスによってもたらされていることをご理解頂けることでしょう。それでは少し長いですが、お付き合いください。

マイニングとは?

マイニング

ビットコインのネットワークは、分散型の仕組みでトランザクションを検証し、新しいブロックを生成する「マイニング」というプロセスに依存しています。マイニングは、プルーフ・オブ・ワークPoW)と呼ばれる計算パズルを解くことで行われます。

ブロック生成の基本

新しいブロックの生成は、マイナー(マイニングを行う人)が複雑な計算問題を解くことによって行われます。この問題を解くと、新しいブロックが生成され、マイナーは報酬として新しいビットコインを受け取ります。このプロセスはビットコインの供給を制御し、トランザクションの検証を確保するために重要です。

マイニングの詳細

マイニング報酬とトランザクション手数料

マイナーは、新しいビットコイン(ブロック報酬)とトランザクション手数料を受け取ります。報酬は定期的に半減し、最終的にはトランザクション手数料のみが報酬となります。

ディフィカルティターゲット(難易度調整)の仕組み

ビットコインネットワークは、ブロック生成のペースを調整するために、約2週間ごとにマイニングの難易度を調整します。

マイニングハードウェアの進化とハッシュレートの増加

マイニングは専用ハードウェア(ASIC)の使用が一般的で、ネットワーク全体の計算能力(ハッシュレート)は年々増加しています。

プルーフ・オブ・ワーク(PoW)について

プルーフ・オブ・ワーク(PoW)は、ビットコインを含む多くの仮想通貨で使用されているコンセンサスアルゴリズムであり、新しいビットコインの発行において重要な役割を果たしています。PoWの主な目的は、ブロックチェーンネットワーク内での新しいブロックの生成とそのブロックの正当性を確認することです。PoWの仕組みを理解することは、ビットコインや他の仮想通貨の動作原理を理解する上で欠かせない知識です。以下に、PoWの基本的な仕組みとその意義について説明します。

プルーフ・オブ・ワークの仕組み

No.仕組み内容
1計算パズルの解決マイナー(採掘者)は、新しいブロックを生成するために計算パズルを解く必要があります。この計算パズルは非常に難解で、多くの計算リソースを必要とします。
2ナンス(Nonce)の探索マイナーは、特定の条件を満たすハッシュ値を見つけるために、ナンスと呼ばれる数値を変更しながらハッシュ計算を繰り返します。ハッシュ値は、ブロックヘッダーの情報をSHA-256というハッシュ関数で計算することで得られます。
3ハッシュ値の条件得られたハッシュ値がネットワーク全体で定められた難易度ターゲット以下である必要があります。難易度ターゲットは、ビットコインネットワークが一定のペースでブロックを生成するように調整されます。
4ブロックの生成正しいハッシュ値を見つけたマイナーは、そのブロックを生成し、ネットワークに広めます。これにより、新しいブロックがブロックチェーンに追加されます。
5報酬の獲得成功したマイナーは、新しいビットコイン(ブロック報酬)とトランザクション手数料を報酬として受け取ります。この報酬は時間とともに減少し、最終的にはトランザクション手数料のみが報酬となります。

プルーフ・オブ・ワークの意義

セキュリティPoWは、ビットコインネットワークのセキュリティを確保するために重要です。計算パズルの難易度が高いため、悪意ある攻撃者がネットワークを操作するのは非常に困難です。
分散型コンセンサスPoWは、中央の権限を持たない分散型ネットワーク内でのコンセンサス(合意形成)を可能にします。多くのマイナーが同じルールに従って計算を行うことで、全体の合意が得られます。
新規ビットコインの発行PoWは、新しいビットコインを発行するメカニズムとして機能します。これにより、ビットコインの供給が徐々に増加し、最終的には上限に達するように設計されています。

コンセンサスとは?

分散化コンセンサスについて

分散化コンセンサスは、ブロックチェーン技術の基盤となる概念であり、ネットワーク全体で一貫性のあるデータを維持するための仕組みです。これにより、中央集権的な管理者が不要となり、参加者全員が信頼できるシステムを構築することができます。

分散化コンセンサスの基本原理

ブロックチェーンネットワークでは、全てのノード(参加者)が独立して動作し、各ノードは新しいトランザクションやブロックの正当性を検証します。これにより、ネットワーク全体で一貫した台帳を維持することができます。

コンセンサスアルゴリズム

コンセンサスアルゴリズムは、ネットワーク全体が合意に達するためのルールセットです。代表的なコンセンサスアルゴリズムには以下のものがあります。

プルーフ・オブ・ワーク (PoW)

前述を参照。

プルーフ・オブ・ステーク(PoS)

  • ノードの保有する暗号通貨の量に基づいて、新しいブロックの生成者が選ばれます。
  • より多くの通貨を保有するノードが次のブロックを追加する確率が高くなります。
  • イーサリアム2.0やCardanoなどが採用しています。

デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク (DPoS)

  • ノードが選出する「代表者」がブロックを生成します。
  • 代表者はネットワーク参加者の投票によって選ばれます。
  • EOSやTRONなどが採用しています。

コンセンサスのプロセス

No.プロセス内容
1トランザクションの提案ユーザーが新しいトランザクションを作成し、ネットワークにブロードキャストします。
2検証各ノードがトランザクションの正当性を検証します。例えば、送金元の残高が十分か、デジタル署名が正しいかなどをチェックします。
3ブロック生成コンセンサスアルゴリズムに従って、新しいブロックが生成されます。PoWの場合は、最初にハッシュを解いたノードがブロックを追加します。
4ブロックのブロードキャスト新しく生成されたブロックがネットワーク全体にブロードキャストされます。
5ブロックの受け入れ各ノードが新しいブロックを検証し、正当であれば自分のチェーンに追加します。

分散化コンセンサスの利点

利点内容
耐障害性中央集権的な管理者がいないため、システム全体の故障に対する耐性が高まります。
セキュリティネットワーク全体がデータの正当性を検証するため、不正行為や改ざんが困難です。
透明性全てのトランザクションが公開されており、誰でも検証可能です。

課題と将来の展望

スケーラビリティ

ネットワークが拡大するにつれて、トランザクションの処理速度やコストが問題となります。

エネルギー消費

特にPoWを採用する場合、膨大な計算リソースが必要となり、エネルギー消費が増大します。

マイニングとコンセンサス

ここからはマイニングとコンセンサスについてもう少し踏み込んだ形で学んでいきます。ブロックチェーンに関する用語がたくさん出てきますので、この機会に是非覚えてみてください。

Coinbaseトランザクションとは?

Coinbaseトランザクションまたは、generationトランザクションは、マイニングによって新しく生成されたコインをマイナー(ブロックを作る人)に報酬として支払うための特別なトランザクションです。

Coinbaseトランザクションが含まれることで、マイナーは報酬を受け取り、ネットワーク全体の取引記録が安全かつ効率的に管理されます。

特徴

新しいコインの生成

マイニングによって、新しいブロックがブロックチェーンに追加されると、そのブロックの一番最初に記録されるのがCoinbaseトランザクションです

このトランザクションでは、新しく生成されたコイン(例えば、ビットコイン)がマイナーに与えられます。

トランザクションの形式

通常の取引では、送信者と受信者がいますが、Coinbaseトランザクションでは送信者が存在しません。これは、新しいコインが無から生成されるためです。すなわち対応するUTXOはないということです。

報酬の構成

マイナーへの報酬は、新しく生成されたコイン(ブロック報酬)と、ブロック内の取引からの手数料の合計です。

例えば、ビットコインでは、ブロック報酬は一定期間ごとに半減(ハルビング)されます。

Coinbaseトランザクションの流れ

Coinbaseトランザクションの構造

特徴
  • Inputトランザクション領域にUnlockingスクリプトは不要。
  • Coinbaseトランザクションのインプットはアンロッキングスクリプトの代わりに任意のデータを入れられる。
  • 最初にブロック高を入れ、そのあとは任意のデータを入れる。
  • エキストラナンスとしても使用される。
要素説明
バージョン番号ブロックのプロトコルバージョンを示します。
前のブロックのハッシュ前のブロックのハッシュ値で、この値を使ってチェーンが連結される。
タイムスタンプブロックが生成された日時を表す。
難易度ターゲットこのブロックを承認するために必要な計算の難易度を示します。
ナンスマイニングプロセスで見つけるべき数値。
マークルルートブロック内の全トランザクションのハッシュから生成されるマークルツリーのルートハッシュです。

Coinbaseトランザクションの構成要素

入力部分

通常のトランザクションでは、入力として以前のトランザクションの出力が使われますが、Coinbaseトランザクションでは入力がありません。

代わりに、「coinbase」フィールドがあり、これにはブロック生成に関する追加情報(例:ブロック高さ)が含まれます。

出力部分

マイナーのアドレスに報酬を送るための出力が含まれます。

ブロックヘッダの構築手順

1トランザクションの集約新しいブロックに含めるトランザクションを集めます。最初のトランザクションはCoinbaseトランザクションです
2マークルツリーの生成集めた全トランザクションのハッシュ値を使ってマークルツリーを生成し、そのルートハッシュを取得します。
3ヘッダフィールドの設定バージョン番号、前のブロックのハッシュ、タイムスタンプ、難易度ターゲットを設定します。
4ナンスの調整ブロックヘッダ全体をハッシュ化し、難易度ターゲットを満たすハッシュ値になるようにナンスを調整しますこのプロセスがマイニングと呼ばれます。
具体例

ビットコインのブロックヘッダの例を見てみましょう。

バージョン: 0x20000000
前のブロックのハッシュ: 0000000000000000000abcdef1234567890abcdef1234567890abcdef123456
マークルルート: 3a3e10b7f0b3f0c3f9c3e2a3b5d6b8b9d0e0f1f2c3e4e5e6f7e8f9f0f1f2f3f4
タイムスタンプ: 1617181920
難易度ターゲット: 0x17148edf
ナンス: 2083236893

マークルルートは、Coinbaseトランザクションを含む全トランザクションのハッシュ値をもとに計算されます。

難易度ターゲットの更新プロセスの要点

ブロックチェーンネットワーク(ビットコインのような)において、難易度ターゲットはネットワークが安全に効率よく運営されるための重要な要素です。

要点内容
目的ブロックチェーンの平均ブロック生成時間を一定に保つため。
調整間隔2016ブロックごと(約2週間に一度)。
ターゲットが極端に動きすぎないように,調整の際,最大4倍,最小で1/4以内になるようになっている。
難易度の調整マイニングの難易度は、ビットコインネットワークの総ハッシュレートに応じて調整されます。ターゲット値が小さいほど、ナンスを見つける難易度が高くなります。
計算方法新しい難易度 = 現在の難易度 × (2016ブロックの実際の所要時間 / 2016ブロックの期待所要時間)
期待所要時間は2016ブロック × 10分 = 20,160分。
制限調整は前の期間と比べて最大で4倍まで。
目的の達成ネットワークの総計算能力(ハッシュレート)の変動にかかわらず、ブロック生成時間を10分に保つ。
計算例

前回の難易度が D であり、最後の2016ブロックのマイニングに20,160分かかったとします(期待より10日多くかかっています)。

実際にかかった時間

  • 実際にかかった時間 = 20,160分
  • 期待される時間 = 2016ブロック × 1ブロックあたり10分 = 20,160分

難易度調整

  • 新しい難易度 = D × 20,160/20,160 =D × 1 = D
  • もし25,000分かかった場合:新しい難易度=D × 25,000/20,160

この自己調整メカニズムにより、ネットワークは安定して、安全で予測可能な状態を保つことができ、マイニングパワーの変動にも強くなります。

マイニングとハッシュ化競争について

ビットコインのマイニングは、新しいブロックを生成する過程であり、このブロックに含まれるトランザクションが有効であることを確認するためのプロセスです。マイニングには、ハッシュ計算を行い、特定の条件を満たすナンス(Nonce)値を見つける競争が含まれます。

ハッシュ化競争は、効率的なハードウェアとアルゴリズムを駆使して、ブロック生成を競い合う激しい競争を特徴としています。難易度ターゲットの調整は、この競争を公平に保つために不可欠な要素です。

ハッシュ化競争

ハードウェアの進化

マイニングに用いられるハードウェアは、CPUから始まり、GPU、FPGA、そしてASIC(特定用途向け集積回路)へと進化してきました。ASICは、特にビットコインのマイニングに特化した設計で、高速かつ効率的なハッシュ計算が可能です。

この進化により、ビットコインネットワーク全体のハッシュレートは指数関数的に増加し、マイニングの難易度も上昇しています。

ASICとは?

ASICは、ビットコインなどの暗号通貨のマイニングにおいて、効率と競争力を大幅に向上させるための重要な技術です。

ASICの役割

高効率ASICはビットコインマイニングのために設計されているため、他のハードウェア(CPUやGPU)に比べてはるかに効率的にハッシュ計算を行います。
高性能ASICは非常に高いハッシュレートを提供するため、短時間で多くの計算を行うことができます。
省電力ASICは特定の作業に特化しているため、電力効率が高く、同じ電力でより多くのハッシュ計算を行うことができます。

ASICの特徴

専門性ビットコインマイニングに特化したASICは、その用途以外では利用価値がほとんどないため、マイニング以外の用途には向いていません。
コストASICは専用設計のため、初期の製造コストが高いですが、その高効率性によって長期的にはコストパフォーマンスが良くなります。
競争力ASICの登場により、マイニング競争が激化し、小規模なマイナーが参入しにくくなりました。
ハッシュレート

ハッシュレートとは、毎秒あたりのハッシュ計算回数を指します。ビットコインネットワーク全体のハッシュレートが高まることで、新規参入者にとってマイニングがますます難しくなっています。

マイニングプール

複数のマイナーが協力してマイニングを行い、報酬を分配する仕組みです。これにより、個々のマイナーは報酬額は減るものの、安定した収入を得ることができます。

Blockchain.com | Charts - Total Hash Rate (TH/s)
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Pythonでのマイニングプログラム例

以下のPythonコードは、簡略化されたマイニングの例です。このコードは、指定された難易度(ターゲット)に対してナンス値を見つけるプロセスを行います。

このプログラムは、ナンス値を見つけるために反復的な計算を行い、条件を満たすナンス値を見つけた場合に成功を報告します。難易度が高くなるほど、ナンス値を見つけるのが難しくなります。

import hashlib

def double_hash(header):
    """ハッシュ関数(SHA-256を2回適用)"""
    return hashlib.sha256(hashlib.sha256(header.encode()).digest()).hexdigest()

def proof_of_work(difficulty):
    """ナンス値を探索するマイニング関数"""
    max_nonce = 2**32  # 4バイトのナンス最大値
    target = 2**(256 - difficulty)
    
    for nonce in range(max_nonce):
        header = f"block_header_with_nonce_{nonce}"  # ブロックヘッダー(仮)
        blockhash = int(double_hash(header), 16)
        
        if blockhash < target:
            print(f"成功! ナンス値: {nonce}")
            return nonce
        
    raise Exception("ナンス値が見つかりませんでした。")

# 難易度を設定
difficulty = 20  # 難易度(ビット数での指定)
proof_of_work(difficulty)

double_hash

  • ブロックヘッダーの文字列を入力として、SHA-256ハッシュ関数を2回適用してハッシュ値を生成します。

proof_of_work

  • 難易度(difficulty)に基づいて、ナンス値を探索します。ハッシュ値がターゲット値以下になれば、ナンス値を返します。

ナンス値について

ナンス値はブロックハッシュをターゲットに合わせるために調整され、必要に応じてエキストラナンスタイムスタンプも活用されます。

ナンス値の役割

ナンス値は、ブロックチェーンのマイニングで使用される数値で、ブロックハッシュが特定のターゲット値以下になるように調整されます。これにより、新しいブロックが有効と認められます。

ナンス値の制限とエキストラナンス

ナンス値は4バイトの範囲(約43億通り)で調整されますが、全てのハッシュ候補をカバーできない場合、Coinbaseトランザクション内のデータを利用してエキストラナンスを追加し、さらなるハッシュ計算を行います。

タイムスタンプ

タイムスタンプも調整可能で、数秒から数十秒の誤差が許容されます。

マイニングに成功した場合に行われること

下記のプロセスにより、ブロックチェーンの安全性と一貫性が保たれ、トランザクションが確実に記録されます。

No.成功後内容
1ブロックの追加新しいブロックがブロックチェーンに追加されます。成功したマイナーが見つけたブロックは、他のマイナーやノードによって検証され、有効であると確認されるとチェーンに加えられます。
2報酬の獲得成功したマイナーは、マイニング報酬として新しいビットコイン(または他の暗号通貨)を受け取ります。この報酬は、Coinbaseトランザクションと呼ばれる特別なトランザクションによって生成されます。
報酬には、ブロック報酬とトランザクション手数料が含まれます。ブロック報酬は、一定のビットコイン量で、一定のブロック数ごとに半減します(例:ビットコインでは約4年ごとに半減する)。
3ネットワークへの通知新しいブロックが見つかると、その情報がネットワーク全体にブロードキャストされます。他のマイナーやノードは、そのブロックを検証し、承認します。
承認されたブロックは、ブロックチェーンの一部となり、以降のトランザクションやブロックの基礎となります。
4難易度の調整ビットコインネットワークでは、約2週間(2016ブロック)ごとに難易度が調整されます。これにより、ブロック生成時間が平均10分になるように調整されます。新しいブロックが迅速に見つかった場合、難易度が上がり、逆に時間がかかった場合は難易度が下がります。
5チェーンの競合解決同時に複数のブロックが見つかることがあります。その場合、ネットワークは最も長いチェーンを正当なチェーンとして選択します。短いチェーンのブロックは「孤立ブロック」となり、有効とされません。

報酬の分配

マイニングプール

複数のマイナーが協力してマイニングを行い、報酬を分配する仕組みです。これにより、個々のマイナーは報酬額は減るものの、安定した収入を得ることができます。

マネージドプールP2PPoolの2種類があり、前者は管理者が存在するのに対し、後者は分散型で不正行為を防止する仕組みが組み込まれています。

マイニングに関する利害関係

マイニングに関する利害関係として、コンサンセス攻撃が存在する。これは、利益のための不正行為、競争相手の排除、ネットワークの信頼性低下などを目的とした攻撃です。

コンセンサス攻撃とは?

コンセンサス攻撃とは、特定のマイナーがネットワークの過半数のハッシュレート(計算力)を持つことで、ブロックチェーンの記録を改ざんできる攻撃です。この攻撃は51%攻撃とも呼ばれます。これはブロックチェーンの公正性と信頼性が脅かされるため、51%攻撃は非常に深刻な問題とされているということです。

攻撃の可能性と影響
トランザクションの二重支払い攻撃者が既に承認された取引を取り消し、再度同じコインを使用することができます。
新しいブロックの排除攻撃者が自分のブロックのみを有効にし、他のマイナーのブロックを無効にすることができます。
ネットワークの信頼性の低下ブロックチェーン全体の信頼性が損なわれ、通貨の価値が下がる可能性があります。

コンセンサス攻撃の防ぎ方

下記の対策を講じることで、コンセンサス攻撃のリスクを低減し、ブロックチェーンネットワークの信頼性を維持することができます。

ハッシュレートの分散ネットワーク全体のハッシュレートを多くの異なるマイナーに分散させることで、単一のマイナーが過半数のハッシュレートを持つことを防ぎます。
プロトコルの改良新しいコンセンサスアルゴリズム(例: プルーフ・オブ・ステーク)や、ハイブリッド方式の導入により、攻撃の難易度を上げることができます。
セキュリティ監視と迅速な対応ネットワークのハッシュレートの変動を監視し、異常が検知された場合に迅速に対応する体制を整えます。
コミュニティの協力マイナーや開発者コミュニティが協力してセキュリティを強化し、攻撃に対抗する意識を高めることが重要です。

まとめ

マイニングはブロックチェーンネットワークにおいて新しいブロックを作成し、トランザクションを検証する重要なプロセスです。この作業を通じて、マイナーは新しい暗号通貨を報酬として得ることができます。そして、コンセンサスはネットワークの全参加者がブロックの正当性について合意する仕組みであり、データの整合性を保ち、不正行為を防止するために欠かせません。マイニングとコンセンサス、この二つの要素がブロックチェーンの安全性と信頼性を支えているのです。ブロックチェーン技術の理解を深めることで、その可能性を最大限に引き出すことができるでしょう。

参考文献

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